救援物資配送の第二回実証実験を実施しました

令和3年2月22日に弊社が事業主体を務める「重量物運搬ドローンを用いた救援物資配送の実証実験」を実施しました。
第一回中津江村での実証実験と同じく株式会社ノーベル(日田市)、日本赤十字社大分県支部、日田玖珠広域消防組合消防本部、大分県警察日田警察署、日田市、大分県で構成したプロジェクトチームが実施しました。
平成29年度の九州北部豪雨で被害を受けた日田市小野地区において、指定避難所への救援物資配送を想定し、古民家カフェ&ランチ「谷のくまちゃん家」前駐車場(小野梛野地区)から小野小学校グラウンドまで1回10kg程の救援物資を3往復、合計32㎏の物資配送をおこないました。
配送先の小野小学校では全校生徒が校舎から見守る中、ドローンによってどのように救援物資が配送されるのか興味津々、運ばれてきた物資の確認から使い方の説明まで熱心に聞き入り生徒参加型で行いました。

実証実験開会式

(株)ノーベル代表による実証実験説明

消防による事前広域調査飛行

日田玖珠広域消防本部ドローン隊

日田玖珠広域消防本部ドローン隊による事前広域調査飛行

事前調査飛行

消防ドローン隊による事前調査飛行の様子

事前調査飛行の伝送

広域調査飛行により伝送された映像(調査結果を踏まえ物資投下地点を決定)

救援物資配送

救援物資3包

約10㎏の重量級救援物資を3回にわたり連続配送(合計運搬重量は32㎏に及ぶ)

ドローンのフライト前点検

フライト前点検でバッテリー電圧のチェック

ドローンに物資を搭載

日本赤十字社隊員と協力して約10㎏の重量級救援物資を搭載

離陸中のドローン

配送拠点から離陸する救援物資配送ドローン(奥に見えるのが指定避難所である小野小学校)

救援物資到着

小野小学校グラウンドに到着するドローン

小野小学校グラウンドに到着するドローン

投下地点に到着~滞空

投下地点上空で滞空

救援物資を受け取る市職員

投下された物資を受け取る市役所職員の方

日本赤十字社大分県支部による防災授業

日本赤十字社による防災授業

グラウンドに届けられた救援物資を開封し内容の説明(小野小学校生徒の皆さま・日本赤十字社大分県支部)

第二回実証実験を終えて

第一回目の実証実験では令和2年7月豪雨の際に孤立集落が発生した日田市中津江村において、救援物資と衛星電話をウインチ機構を使用した吊下げ方式での配送に成功いたしました。
この度の実証実験では指定避難所への配送をテーマに重量物の多頻度配送を効率的に行うため物資の投下という手段を選択しました。
「10年間で2度も被災した地区で、この取組は不安解消につながるため、二次災害を防ぐためにも活用してほしい」とのお言葉を小野地区振興協議会会長様から頂くなど、地元地域の方々の機運の高まりや期待度の高さを改めて感じることとなりました。
2回にわたる実証実験を通じて、関係各所との連携体制の構築や運航ノウハウなど大きな成果を得られた一方、配送方法の確立やリスク管理などいくつかの課題も浮き彫りになりました。
今後は、この実証実験で得られた課題を整理し関係各所とより密に連携を取りつつ実運用につなげていくことができるように取り組む所存です。

参加機関

日本赤十字社大分県支部:救援物資提供
日田玖珠広域消防組合消防本部:事業監修、災害調査ドローン運航管理
大分県警察日田警察署:事業監修、事業協力
日田市、大分県:実証フィールド提供、地元調整、関係者調整
株式会社ノーベル:事業企画・運営、物資運搬ドローン運搬管理、許認可対応
ブルーイノベーション株式会社:ドローンポート提供