空中で変形するドラゴンドローン!

既存のドローンの形態

ドローンと言えばどのような形を思い浮かべるでしょうか?
四つのプロペラをもった「いかにもなあの形」を思い浮かべる人は多いと思います。
正確には、三つ以上のローターからなる回転翼機のことをマルチコプターと呼びます。
DJI製のPhantomシリーズなどもこの形にあてはまり、四つのローターを搭載していますので、マルチコプターの内でもクアッドコプターと呼ばれるものに当てはまります。(英: quadruple=4倍,4部から成る…)
フィギュアスケートの四回転ジャンプなどもクアドなどと呼ばれていますね。
これが六つになるとヘキサコプター、八つになるとオクトコプターと呼ばれます。
そのほかには、VTOL型固定翼ドローンなどがあり、思い浮かべる人がいるかもしれません。
VTOLとは、Vertical Take-Off and Landingの頭文字で、垂直離着陸機のことをいいます。
確かにドローンとして一般的ではないですが、離着陸や飛行している様子はとても格好よくて興奮すると思います。
しかしながら、結局のところ、マルチコプター型以外は一般的ではないのかもしれません。

イメージ(既存のドローンの形態/DJI製Phantomシリーズ)

飛行形態可変型ドローンの登場

さて、米国のメディアサイトTHE VERGEに面白い形態のドローンについて記事がありましたので紹介します。
開発しているのは東京大学のJSKラボです。

ドラゴンドローンの有用性

ドラゴンドローンとは通称で、実は、DRAGON=Dual-rotor embedded multilink Robot with the Ability of multi-deGree-of-freedom aerial transformatiONという正式名称がありDRAGONはその頭字語です。
多自由度空中変形型マルチリンクロボットデュアルローターとでも訳せるのでしょうか、大変難解に感じられますが、語意を知るには、まさに百聞は一見に如かずです。
動画を見れば、その各部位の動きがそのまま長い正式名称の各部位と対応していることが分かります。
納得の名称ですね。
とても巧いネーミングだなと感心させられました。

この奇妙な形をしたドローンがまるで蛇のように(ドラゴンというべきでしょうか)器用に変形して動き、天井の穴を通り抜ける様子がありました。
記事には「飛んでいる腕」を操作しているように見えるとあります。

ドラゴンドローン Image: JSK Lab / University of Tokyo

“As it stands, the actual use cases for this type of drone are vague, but the tech is certainly exciting. It could find a place in industrial use (navigating ducts, for example), or perhaps within search and rescue scenarios.”
「このタイプのドローンは実用段階ではないが、技術力は確かに素晴らしい。例えば、管の導きやあるいは捜索、救助の場面など、産業用途にその活用余地を見出せるかも知れない。」

技術者ではない立場から、このドラゴンドローンの何が素晴らしいかと言われれば、ユニークな発想を視覚的に再現せしめている点だと私は思います。
偉大な発明は、常にイマジネーションという直観が開発に先立っています。
この点で優れた発明だと思われます。
また、活用用途についても全く悲観するには及ばないではないでしょう。
この高度で複雑な技術が洗練されれば、用途は必然的についてくると思われます。

“Our ultimate dream is to achieve the flying humanoid, like an unmanned Iron Man.”
「私たちの夢は無人のアイアンマンのような空飛ぶヒューマノイドを作ること。」

-趙漠居 東京大学助教授 ”同記事より”


「こんなのできないかな?」を実現することを発明と呼ぶのではないでしょうか。

レオナルド・ダ・ヴィンチ/エアクラフト

Image: Aerial Screw from Leonard Da Vinci's sketch

〈参考記事〉
THE VERGE "This flying ‘dragon’ drone can change shape in midair"
https://www.theverge.com/2018/6/28/17516002/flying-dragon-drone-change-shape-university-of-tokyo-jsk-lab